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ESでAIを使うときの注意点|安全な使い方と提出前の確認方法

ES(エントリーシート)作成で生成AIを使うなら、最初から全文を書かせるより、自分で事実を整理した後に、設問の分解、抜けの確認、文章の短縮など限定した作業を頼む方が、誤りや自分らしさの消失を防ぎやすくなります。

AIの出力は提出できる事実の保証ではありません。企業・学校の利用ルール、サービスのデータ取扱いを確認し、個人情報や企業の非公開情報を安易に入力せず、最後は自分が一文ずつ説明できる内容へ直してください。

企業ルールと個人情報を確認してESのAI出力を本人が検証する6ステップ
企業ルールと個人情報を確認してESのAI出力を本人が検証する6ステップ

AIへ任せやすい作業と、本人が行う作業

AIを補助に使いやすい作業 本人が責任を持つ作業
設問の問いを箇条書きへ分ける 経験・役割・数字・結果の事実確認
初稿で不足する要素を質問にする 何を一番伝えるか決める
同じ意味の重複候補を示す 応募企業の事実を公式情報で確認する
指定字数へ削る候補を出す 本人が話せる言葉へ直す
面接で聞かれそうな深掘りを挙げる 企業ルールを守り、最終提出を判断する

AIを使わない選択も問題ありません。目的はAIを使うことではなく、設問に答え、本人の事実を正確に伝えることです。

最初に3つのルールを確認する

1. 応募企業・学校のルール

募集要項、提出画面、学校の案内に、生成AI利用の禁止・申告・範囲指定がないか確認します。明記がなくても、虚偽、他者文章の流用、守秘義務違反が許されるわけではありません。

2. 利用サービスのデータ取扱い

入力内容が保存・学習・人による確認へ使われるか、設定で制御できるか、プライバシーポリシーと現在の画面を確認します。サービスや契約プランで扱いが違う場合があります。

3. 入力してよい情報の範囲

個人情報保護委員会は生成AI利用について、個人情報を含む入力時に利用目的やサービス提供者による取扱い等を確認するよう注意喚起しています(2026年8月13日確認)。

入力前に止まる情報 置き換え例
氏名、住所、電話、メール、学生番号 「応募者」「大学生」などへ匿名化
企業の未公開資料・実習で知った情報 公開情報だけにする
他者の氏名・連絡先・評価 役割だけにし、不要なら削る
顧客情報、売上、契約など勤務先の非公開情報 公開可能な範囲の一般表現へする

匿名化しても、組み合わせで個人や組織が分かる場合があります。入力が不要なら入れません。

6ステップで補助利用する

1. 設問・字数・期限を自分で写す

「学生時代にチームで取り組んだことと自分の役割を400字以内」なら、対象、チーム、自分の役割、字数を抜きます。設問自体が非公開情報と指定されていないかも確認します。

2. 自分の事実を先に整理する

項目 自分のメモ
状況
課題
自分の判断
自分の行動
変化
学び

AIへ経験を作らせません。思い出せない項目は空欄にし、「思い出すための質問を5つ出して」と頼むことはできます。

3. 依頼を一つに絞る

避けたい依頼:

内定する完璧なガクチカを書いて。

限定した依頼例:

以下は匿名化した自分の事実メモです。新しい事実や数字を追加せず、「チームでの役割」と「自分の判断」が不足している箇所を質問で3つ示してください。文章はまだ作らないでください。

依頼範囲、追加禁止、出力形式を明示します。ただし指示しても誤りが出る可能性はあるため、検証は必要です。

4. 出力を事実・解釈・提案へ分ける

AIが「参加率が向上した」「リーダーシップを発揮した」と補った場合、それが自分のメモにある事実か確認します。ない数字、結果、役割、感情は削ります。

5. 自分の言葉へ戻す

「課題解決力を発揮し、チームを成功に導いた」のような一般表現を、実際の行動へ戻します。

メンバーごとに完成形の認識が違うと考え、構成を1枚にまとめて確認日を決めた。

自分が普段使わない難しい言葉は、面接で説明できる表現へ直します。

6. 書類間・面接との一貫性を確認する

履歴書、別設問、面接メモと、人数、期間、役割、志望理由が一致するか確認します。AIへ過去の全書類を入力せず、自分の比較表で照合する方法もあります。

記入済み編集例

以下は架空例です。

自分の事実メモ

5人の共同発表。準備が遅れていた。私は構成案を1枚にした。担当と確認日を決め直し、発表前に通し練習ができた。

AI出力に含まれた問題

リーダーとしてメンバーを率い、準備時間を50%短縮して高評価を獲得した。

「リーダー」「50%」「高評価」は元メモにありません。事実として使えません。

本人が直した例

ゼミの共同発表で、準備の進め方を整えました。遅れの原因は、メンバーごとに完成形の認識が違うことだと考え、構成を1枚にまとめて全員で確認しました。その後、担当と確認日を決め直し、発表前に通し練習を行えました。

AIらしさを隠すために直したのではなく、本人の事実へ戻したことが重要です。架空例を自分の体験として使わないでください。

AIとの役割分担を確認する

情報整理、文章補助、確認、依存しやすい場面を整理します。AI利用の許可、文章の独自性、選考結果を判定する診断ではありません。

AI就活使いこなし診断を始める

用途別の依頼例

設問の分解

次の設問が求める要素を、対象・問い・制限に分けてください。回答例は作らないでください。

不足確認

私の事実メモだけを使い、読み手が状況を理解するために不足する質問を5つ出してください。事実を補完しないでください。

字数調整

意味を変えずに削れそうな重複を候補として示してください。削除後の全文ではなく、該当箇所と理由を表にしてください。

面接準備

この回答から深掘りされそうな質問を挙げてください。模範回答は作らないでください。

出力をそのまま提出するのではなく、本人が判断する材料として使います。

AI出力の監査シート

出力を全文で「自然か」と読むのではなく、一文ずつ分類します。

出力文 元メモにある事実 AIの解釈・追加 公式確認 採用・修正・削除
あり・なし 必要・不要

記入済み例

出力文 元メモ 問題 判断
私はリーダーとして5人をまとめた 役職の記載なし リーダーを追加 削除し、実際に提案した行動へ変更
発表前に通し練習を行えた 記載あり なし 採用
御社は業界トップの技術力を持つ 根拠なし 企業評価を追加 公式資料で確認できなければ削除
調整力を発揮した 行動は記載あり 抽象的な評価 行動へ言い換える

これは架空例です。文章が流暢でも、元メモにない主張は採用しません。企業事実はAIの説明ではなく、企業公式情報のURLと確認日を残します。

AIを使った履歴を自分用に残す

企業が利用申告を求める場合や、後からどこを自分で直したか確認するため、次を記録しておく方法があります。

  • 利用したサービスと日付
  • 入力した情報の範囲
  • 依頼した作業
  • 採用した提案と削除した提案
  • 最終版を本人が確認した日

履歴を企業へ一律提出するという意味ではありません。企業・学校の指示があれば従い、自分が最終文章を説明できる状態を作るための記録です。

グループ経験をAIへ渡すとき

自分以外の学生、社員、顧客の氏名や評価を入力しません。「メンバーA」などに変えても、大学名、活動名、日時、役職の組み合わせで個人が分かる可能性があります。ESに必要なのは、自分が置かれた状況と取った行動です。第三者の詳細を削っても説明できる構造にします。

共同制作物、研究、インターン、アルバイトの情報には、組織の非公開情報が含まれる場合があります。公開済みの事実と、自分が話す許可を得ている範囲へ限定してください。

よくある失敗と分岐

全文生成から始めて本人の事実が薄くなる

AI画面を閉じ、状況・判断・行動・変化の表を自分で埋めます。その後、不足質問だけを依頼します。

文章が整いすぎて話せない

各文について「面接で具体例を説明できるか」を確認します。説明できない抽象語は、自分の行動へ置き換えます。

企業情報を誤っている

AI出力を根拠にせず、企業公式サイトと募集要項を確認します。確認日とURLを自分の企業研究シートへ残します。

AI利用が見抜かれるか不安

AI検出を回避する方法を探すのではなく、企業ルールを守り、事実を自分で検証し、本人が説明できる回答にします。利用禁止なら使いません。

個人情報を入力してしまった

利用サービスの削除・履歴・プライバシー設定を確認します。学校や勤務先の情報管理ルールに関わる場合は、案内された窓口へ相談してください。

提出前チェック

  • 企業・学校のAI利用ルールを確認した
  • サービスのデータ取扱いと設定を確認した
  • 個人情報・未公開情報を不要に入力していない
  • 経験、役割、数字、結果を元記録と照合した
  • AIが追加した事実・評価語を削除した
  • 企業情報を公式情報で確認した
  • 自分の言葉で一文ずつ説明できる
  • 履歴書・他設問・面接と矛盾していない
  • 指定字数・形式を提出画面で確認した

チェック後はAIなしで読み直す

最終確認ではAIの画面を閉じ、設問と自分の回答だけを並べます。冒頭で問いへ答えているか、各文の事実を説明できるか、企業名・人数・数字がほかの書類と一致するかを確認します。

声に出して読んだときに意味を説明できない言葉があれば、本人の表現へ戻します。AIへ再度「自然にして」と頼み続けるのではなく、どこが伝わりにくいかを一つずつ直します。

AIの提案を採用するか判断する記入例

AIの提案 自分の事実で確認 採用判断 修正
売上を20%改善 記録なし 不採用 問い合わせ分類を変更と記載
リーダーとして牽引 役職なし 不採用 進行表作成を担当と記載
調整力が強み 経験あり 条件付き 誰と何を合意したか追加

読みやすい表現でも、元の経験にない成果・役割は削除します。企業名、未公開数値、他人の個人情報を入力せず、利用サービスのデータ利用設定と企業の応募ルールを確認します。

面接へ渡せるかで最終確認する

提出文の各文について「いつ」「誰と」「自分は何をした」「なぜ選んだ」「結果をどう確認した」へ答えられるか確認します。答えられない文章は、自分の言葉へ直すか削除します。

AIへ模範回答を作らせて暗記するのではなく、面接の想定質問を出させ、自分の事実で答える練習に使います。回答内容の正しさや選考通過をAIが保証することはできません。

AIを使わない判断

企業が生成AIの利用を禁止している、入力情報の機密性を確保できない、自分で事実確認できない場合は使いません。使える場合も、経験素材の整理、質問候補、文章の冗長箇所の指摘など範囲を決めます。

提出直前に全文を書き換えさせると、本人の表現と事実の対応を確認できなくなります。最終版は文ごとに根拠経験を示し、自分で修正履歴を確認します。

完成条件

企業ルールを確認し、機密・個人情報を入力せず、生成文の事実と引用を検証し、面接で全内容を説明できます。どれかを満たせなければ、AIの提案を削除します。

他人の文章と似た場合

生成AIが一般的な表現を返し、他の応募者と似る可能性があります。言い換えを増やすだけでなく、自分が確認した状況、判断理由、周囲との役割、失敗後の修正を入れます。固有性は珍しい単語ではなく、本人が説明できる事実から作ります。

文章の自然さより、企業ルールと事実を守ることを提出判断の最優先にします。

動画選考やAI面接の準備まで必要な場合は、AI面接対策と録画練習の進め方で、回答内容・映像・音声・接続環境を分けて確認できます。

よくある質問

AIでESを書いたら不合格になりますか?

一律には言えません。企業のルール、回答の事実性、設問への適合など複数要素があります。合否予測ではなく、ルールと提出責任を確認してください。

誤字チェックだけなら使ってよいですか?

企業ルールと入力情報の扱いを確認します。誤字候補も正しいとは限らないため、原文と比較して本人が判断します。

AIへ企業名を入力してもよいですか?

公開企業名だけでも、設問、選考状況、個人情報との組み合わせに注意が必要です。入力が必要かを考え、利用規約と企業の指示を確認します。

まとめ

ESでAIを使う場合は、本人が事実を先に整理し、限定した作業だけを頼み、出力を一文ずつ検証します。個人情報と企業ルールを確認し、自分が面接で説明できる文章へ戻してください。

使い方の偏りを整理したい場合は、AI就活使いこなし診断を利用できます。

AI利用後の文章を本人の事実として読み直すときは、ESの伝わり方診断で不足情報を確認できます。設問から自力で組み直す場合はESの書き方へ戻ってください。